2022/12/31 11:20

 側面ではなく底に怪獣8号のデザインがある理由

砂彫刻による怪獣8号と切子を組み合わせるにあたって、飾るだけでは無く『使って頂きたい』という想いがあります。
側面では無くあえて底に猫を彫り込む事で、使って愉しむという仕掛けをしています。
LEDライト台と一緒に使う事でインテリアランプとしてもお愉しみ頂けます。器を逆さまにすると怪獣8号がより鮮明に見えます。
通常時、底にある怪獣8号は光が通らず暗くなっています。
しかし、グラスに注いだ飲み物を呑み干した時、光が底部分を透過するので、怪獣8号が燦燦と輝きを放ちます。
それは使って頂いて初めて見える景色なのです。


・七宝紋(切子柄)
同じ大きさの円形を四つ重ねてつないだ連続紋を指します。輪が四方に無限に広がっていくさまから四方となり、四方が七宝になったとされています。
円満、調和の吉祥文として親しまれており、伝統的な柄の一つです。



最後に

初めて読んだ漫画は小学3年生の時に学童にあったドラゴンボールです。
小学5年生の時に少年ジャンプを購読し始めました。
ナルト、ワンピースの連載一話にも立ち会いました。
自分にとって漫画は呼吸と同じように当たり前にある存在で、様々な作品に影響を受けながら青春時代を過ごしました。

まさか大人になった自分が集英社様のジャンプ作品にお仕事で関わらせて頂くなんて当時の自分は夢にも思わないでしょう。
これ迄に培ってきたガラスの知識や技術を詰め込んで提案させて頂き、企画を実現することが出来て感無量です。
漫画・アニメ世代の自分にとってこれ程嬉しい事は無いです

今回の作品「怪獣8号」星詠み切子<七宝紋>は、自分だけでは無く様々な分野の職人の粋・技術が合わさって生みだされています。
自分一人では成し得ないものです。

かつて葛飾北斎の浮世絵が世界でジャポニスムという熱狂的なブームを巻き起こしたように、
今回の企画で生まれた「怪獣8号」星詠み切子<七宝紋>が多くの人々の目に触れ、届いて欲しいと願っています。

私がガラス作家を目指した理由の一つがこれでしたが、夢が叶いました。


「怪獣8号」という素晴らしい作品を生み出された松本直也先生に感謝を申し上げます。
有難う御座いました。


                                                                       2022/12/12 可夜